オオハクチョウとコハクチョウ初歩の初歩

日本に渡ってくるハクチョウは2種類

オオハクチョウコハクチョウがいることはよく知られていますが、

いざ、初心者が区別しようとかなり難しいのは確かです。

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コハクチョウは体長120㎝、首が短めで嘴の黄色の部分が狭いと説明されています。

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オオハクチョウは体長140㎝、首が長く嘴の黄色の部分が広いと説明されています。

ただし、野生動物は工業規格品のように、みんな見た目が同じというわけにはいきません。上の写真のようにすぐ区別できるのはむしろ稀かもしれません。

 

たとえば次の2枚の写真はどうでしょう。

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①より②のほうが首が長くみえます。

それに、ハクチョウの群れはかなりの割合で灰色の幼鳥がいます。

幼鳥のくちばしはまだ黄色くありません。嘴の黄色の割合といっても、それは幼鳥には即使えないのです。

実は①がオオハクチョウで②がコハクチョウです。

ハクチョウを見慣れている方はすぐわかると思いますが、あまり見たことない人は冒頭の知識だけで、この2つの写真を区別することは難しいと思います。

ハクチョウの大きさも一回り違う程度では、距離の関係でそんなに差がないように見えることもあります。

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灰色の幼鳥もしだいに嘴が黄色くなっていきます。(写真はオオハクチョウ

写真の通り、幼鳥の嘴の黒い部分は成鳥になってもそのままです。

ですので、嘴で区別をつけるときは、黄色い部分より黒い部分を意識したほうがよいことがわかります。

 

オオハクチョウコハクチョウはそのほか、鳴き声や振る舞いでも区別ができます。

 

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オオハクチョウの鳴き声は甲高く非常に通る。群れで一斉に鳴かれるととにかくうるさい。鶏のオスが朝鳴く声と張り合える

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コハクチョウは少しくぐもった感じで、コーコーと鶏のメスの鳴き声よりやや高めな感じ。群れで鳴かれるとうるさいことには変わらないけど、オオハクチョウよりはかなりマシ。

 

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コハクチョウは基本臆病です。餌をもとめて人に近づきますが、それでも2m以内には近づきません。

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沼の岸辺近くにいたコハクチョウが、突然全羽沼の真ん中に移動しました。

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原因は沼の遊歩道に公園管理用の車両が進入したためです。

実際ある越冬地では「コハクチョウは敏感なため驚かさないでください」という注意書きがあります。

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オオハクチョウは割と平気で人に近づきます。油断するとつつかれます。

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池から陸にあがるのも平気で、人が来たら逃げるどころか近づいてきます。

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2枚の写真は同じ日の撮影です。昼間はオオハクチョウの越冬地、夕方にコハクチョウの越冬地に立ち寄りました。同じ日に見るとさすがにコハクチョウが小さく見えます。

見た目だけでなく、声の特徴や振る舞いの差まで紹介しましたが、これでも十分とは思えません。

やはり、実際にハクチョウを何回も見て慣れないといけないかもしれません。

自分も完全に区別できるようになるまで、2週間くらいかかりました。